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Roland SH-3は1974年に発売されたアナログシンセサイザー。
小室はTwitter上で、初めて購入したシンセサイザーは「本格的にはSH-3」とコメントしている。
@Ucky_de_Bazar 本格的にはSH-3です。
— Tetsuya Komuro (@Tetsuya_Komuro) 2015, 3月 10
小室のファーストシンセサイザーは同社SH-1000が有名だが、ジェイ・コウガミ氏とのインタビューで「衝撃を受けたテクノロジー」としてSH-3を挙げているあたり、SH-1000とは一線を画する体験がSH-3にはあったのではないか。その思いが『本格的には』の言葉に見え隠れする。
コントローラ部分が左側に凝縮された特徴的なフォルムは、ピアノ、オルガンの上に置いて演奏する事を想定しているため。このコンセプトはSH-1000と同様である。
参考:Roland SH-3a | Vintage Synth Explorer
SH-1000のようにプリセット音色は用意されていないものの、幅広い音色作りを可能にしている。
VCOは1個だが、2’、4’、8’、16’、32’の5つのフィートスライダーが並び、各フィート毎に波形と音量を設定可能、8’フィートのみLFOのパルスワイズを利用したコーラスがかけられた。
参考:SH-3A know
※フィートとは
オシレータのピッチをオクターブ毎に表したもの。パイプオルガンの管長に由来する。
また、SH-3は「サンプラー機能」を実装しているがこれは波形を取り込むサンプリングではなく、エディットした音色自体を取り込んでホールドし、自動演奏のようなものを楽しむ機能。
強いて言えばXP-50(1995年発売)あたりから実装されたRPS機能に近いかもしれない。
音色全体にかけるADSRの他、VCF、VCAにも独立したADSRを持つ。
特許の関係で回路を作り直し、後にSH-3Aとして新モデルが発売されている。
Roland SH-3 : 酒と電子音の日々によると、8’フィートコーラス、VCFの効き具合が異なるようだ。
使用時期について
今回資料不足の為、小室がRoland SH-3を購入した時期は明らかに出来なかった。
しかし、前年1973年に発売されたばかりのRoland SH-1000を大変な思いをして購入しているので、SH-3発売年の1974年にすぐさま購入したとは考えにくい。
小室は高校時代(75年〜77年)にディスコで演奏のバイトをしているので、この時期に購入した可能性がある。
また、77年2月にはイラプション、翌78年にはギズモとして活動しているので、使用していたのはこの時期ではないかと推察する。
メーカー | Roland |
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発売年 | 1979年 |
鍵盤数 | 44 |
音源方式 | VCO×1 |
同時発音数 | モノフォニック |
定価 | 185000円 |
使用アーティスト
喜太郎/ヒューマン・リーグ/ヴァンゲリス