KRONOSにも搭載された物理モデル音源の草分け
使用時期:1998年〜 2011年
image via:KORG MUSEUM|KORG INC.
KORG Z1は、Prophecy(1995)の後継機種として1997年に発売された。
Prophecyを始め、従来のVA音源はいずれもモノフォニックだったのに対し Z1では大幅に強化され、
12音ポリフォニックで13種(レゾナンス・オシレータ、オルガン・モデル、エレクトリック・ピアノ・モデル、スタンダード、リング・モジュレーション、VPM、ブラス・モデル、リード・モデル等)のオシレータを搭載した。
90年代はPCM音源のデジタルシンセサイザーが頭打ちになった頃で、
Z1のようなアナログモデリングのシンセサイザーは
元々安価な入門機だったTB-303やTR-808とともに、テクノ系アーティストを中心に好んで使用された。
(確かこの時代あたりから、TB-303、TR-808の中古価格が高騰する。)
コントローラ部は、音色を複雑な表現力を実現させるために
4つのアサイナブルスイッチとX-Yパッドを採用。
X-Yパッドは後にKAOSS PADへと展開する。
その他のアルペジエータ、ファンクションキー周りは
Trinity,Tritonあたりでも見られるいかにもKORGらしい配置。
MOSS音源はその後オプションボードとしてTRITON,KARMAへと引き継がれ、
現在ではKRONOSにも標準音源「mod-7」として引き継がれている。
このようにテクノ、トランスなどのエレクトロ系音楽との相性が良い複雑な音色変化を楽しむことができるあたりがZ1の醍醐味といえる。
2:41秒あたりから、X-Yパッドを使ったアナログ・シンセサイザー的な音色コントロールも見ることができる。
この動画のようにアルペジエータで簡単に遊び演奏ができるシンセサイザーが登場したのも、
KORG Z1が登場した90年代後半からだと思う。
小室作品の中では、『love again』『TOGETHER NOW』等で使用されている。
『love again』globe
『TOGETHER NOW』JEAN MICHEL JARRE & TETSUYA "TK" KOMURO
メーカー | KORG |
---|---|
発売年 | 1997年 |
鍵盤数 | 61鍵 |
音源方式 | MOSS音源 |
同時発音数 | 12ボイス(DSPB-Z1追加で18ボイス に拡張可能) |
定価 | 250,000円 |
●主なユーザー
KMFDM
Gary Numan
LTJ Bukem
Orbital
●中古相場
約3万円
●関連リンク
tico
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