大ヒットした小室哲哉プロデュースのシンセサイザー
使用時期:1990~1992年
EOS B500は、B200に続き小室哲哉プロデュースのシンセサイザーとして登場した。
B200と最も変わった点は、リズム音源を搭載した事だ。 オールイン・ワン・シンセサイザーとして確立され、その使いやすさと小室哲哉プロデュースという付加価値でヒットした(販売台数は同社DX7を上回るらしい)。
『EOS』はEntertainment Operating System の略。
当時のCM。
1,2本目のCMのEOSから出ている音はEOSのものではない(後述の“ライブでの使用”参照)。
3本目のCMで使用されている楽曲に関しては、エフェクトこそCM用にミックスされているが音源はEOSのものが使用されている可能性が高い。
<追記>3本目のCM(2:00〜)の楽曲『月とピアノ』で使用されている音源はSY99(あるいはSY77)、ピアノは生ピアノの可能性あり(情報提供:PIZZ様)
<追記 2012.11.18>月とピアノのシンセ:SY99のElegant/ストリングス:シンクラヴィアのライブラリから(情報提供:scottie1015様)
充実した音源カード
浅倉大介のマニピュレートによる音色集がカード形式で発売されていた。
特に『TK2:The Single Collection』に収録された「1974」「Come on let’s Dance」等のシミュレートデモは出色の出来であった。
すぐに音が出せる楽しさ
小室哲哉の提案により、スピーカーはB200に引き続き内蔵された。
これはバンド練習は勿論、友人とのちょっとした遊びの時間の時でも「ちょっと音出しできる」「ちょっと弾ける」楽しさを小室が求めた事による。
即戦力の音
EOS B500のプリセット音源は、作曲や演奏にすぐに使える“即戦力の音”がコンセプトとなっている。
初期TMのコピーに強い
EOS B500はFM音源×2+AWM音源×2の合計4エレメントで一つの音色を作る仕組みになっている。
DX7からの伝統であるYAMAHAのFM音源は、同時に小室のトレードマーク的な音色でもあり、 初期TM NETWORKの楽曲が比較的容易にコピー出来た。
ライブでの使用
1990年 RHYTHM RED TMN TOUR
リモートキーボードとして使用。
音源としては YAMAHA TG77, ENSONIQ VFX,シンクラヴィア が使用された。
「Secret Rhythm」でのみ、木根尚登によってプリセットに収録されたサンプリングボイスが使用された(※参照『SPEED OF SOUND―RHYTHM RED TMN TOUR Official Sound Guide』。ただし、木根氏のB500はTG77をリモートしていた(情報提供:てっつ様)ので、少々信憑性に欠ける)。
1991年~92年 TOUR TMN EXPO
リモートキーボードとして使用。
音源として主にRoland S-550, KORG 01/W, Roland JD-800が使用された。
メーカー | YAMAHA |
---|---|
発売年 | 1990年 |
鍵盤数 | 61鍵 |
音源方式 | AWM×2+FM音源×2 |
同時発音数 | 24音 |
定価 | 168,000円 |
●主な使用ミュージシャン
岡本真夜(高校生時代のファースト・キーボード)
●中古相場
約2万円
コメント
こんばんは。
実は私が学生の時、某リサイクルショップで最初に買ったシンセがこれです。
当時中古で3万円ぐらいかな。元々から、スピーカー付きのが欲しくて、いざ持ったら重い重い(笑)!
今でも、売らずに使ってます。使うとしたらリードシンセぐらいかな。
あとは、ボイスカードがあるので、これを挿して遊んでます。
実は先週、KORGのZ1(1997年発売)というシンセを買いまして、小室さんは昔、このシンセを使っていたんですよね。小室さんの他に、角松敏生さん、都 啓一さん(SOPHIA)が使ってました。
次の回、時間があればいいんですが取り上げてもらいたいです。
KORGって、音が太いんですよね。
Kouichi さん
今は高性能で軽いシンセサイザーが沢山出てるので、B500は凄く重く感じますよね。
私もB500の音は気に入ってて、出来れば買い直すかレンタルして、お気に入りの音をサンプリングしたいくらいです。
小室さんがZ1を使ってたのは初期globeの頃ですね。
Kouichi さんからの情報も参考にさせて頂きつつ、Z1の記事も更新したいと思います。
はじめまして。
私も小室さんが好きでシンセを始めたクチなので、
大変懐かしく、そして興味深く読ませていただいています。
さて、CMの3本目(月とピアノ)のシンセですが、
SY99(orSY77)ではないかと思っています。
音源が手元に無いので確認できませんが、
ピアノは、生のピアノだったような気もします。
これからも更新、楽しみにしています。
>PIZZさん
情報ありがとうございます。
個人的にはモロにB500の音だと思っておりましたが…
SY99にも同じ音があるという事ですね。
という事は、B500の音色はSYシリーズから移植された音色が存在する
という可能性が高いですね。
情報追記させて頂きますm(__)m
月とピアノのシンセはSY99のElegantでストリングスはSynclavierのLibraryです。
>scottie様
情報ありがとうございます。追記させていただきますm(__)m
初めまして。
説明文に有ります、
「1990年 RHYTHM RED TMN TOUR 」の”VFX-SD”ですが、
この頃はまだ初代VFXの筈です。
(ちなみにVFX-SDはEXPOツアーで浅倉大介氏がマニュアルプレイ用EOSのSlave音源として初めて登場しております。)
後、木根尚登氏がEOSで演奏していたのは、Slave音源のTG77の筈です。
(共にキーボードマガジンより)
ご確認の程お願い申し上げます。
>てっつ様
ご報告と情報、ありがとうございます。
改めて記事を見直すと、木根さんがサンプリングを鳴らしてるって、何か変ですね。
何を見てそう書いたのか・・・^^;
確認次第、記事に反映させていただきます。
宜しくお願いいたします。